Timeline

NyIdマーカの利用権について

NyIdマーカの利用権についてご質問がありましたので、説明を書きました。

NyIdマーカの利用権について

NyIdマーカには、無償で誰でも使用できる利用権の不要なプライベートIDマーカと、利用権を登録して独占的に利用できるグローバルIDマーカがあります。

NyIdの利用権は、グローバルIDマーカを独占する為の有償の権利です。

プライベートIDマーカとグローバルIDマーカの違い

利用権不要なプライベートIDマーカとグローバルIDマーカの違いを説明します。

表示については、どちらのIDマーカも、四角い枠の中にドットを打った同一な形式のマーカです。

  1. プライベートIDマーカ(一意にIDを識別できないマーカ)
    どなたでも利用できるID番号を持つマーカです。利用権無しで無償で使用できますが、同じIDを他の方が違う目的で使用することがあります。また、IDから登録者を逆引きすることが出来ません。
    商用利用は可能ですが、独占利用の宣言と名称の変更は禁止しています。この番号は、NyIDのドメイン0に割り当てられています。
  2. グローバルIDマーカ(一意にIDを識別できるマーカ)
    利用権の所有者のみが使用できるID番号を持つマーカです。有料ですが、所有者以外が同じIDを使用することを制限します。(他の事業者が無断で使用した場合の補償はありません。管理上の公式な逆引き結果は補償します。)
    割当は特定のID空間(例えば1000番~2000番)までをの独占的な割当を行い、
    割当範囲についてNyARToolKitProjectのホームページで公開します。
    所有者は割り当てられたID番号に対して、第三者への利用許可・再販・独占利用の宣言と名称の変更ができます。この番号は、NyIDマーカのドメイン0以外に割り当てられています。

利用権が必要な場合

現在一般的に使われているNyIdマーカは、全てプライベートIDマーカです。

グローバルIDが必要なのは、他の利用者にそのIDマーカを利用させたくない場合と、NyIdマーカの名称を使いたくない場合だけです。

他の利用者が同じIDマーカを使用しても差し支えないアプリケーションかつNyIdマーカの名称を変更する必要が無ければ、無償で利用できるプライベートIDマーカを利用することをお勧めします。

NyIdテンプレートカードの販売を開始しました。

株式会社スイッチサイエンスさんにてNyIdテンプレートカードの委託販売を開始しました。

ARマーカーカードセット(NyIdテンプレートカードセット)販売ページ

※モザイクの場所はシリアル番号になります。

商品説明

パッケージには以下のものが含まれています。

  1. NyId marker template ブランクカード ×10
  2. NyId [00-19]: Model2/Rawbit ID早見表× 1

カードは角丸加工の低光沢厚紙製(220kg)。91mm×55mmの名刺サイズです。
11枚で1セット。価格は280円です。

NyARToolKit/FLARToolKitのIDマーカとしてご利用になれます。ARToolKitでは使用できませんのでご注意ください。(要望があればパッチを作ります。)

サポート

商品のサポートはNyARToolkit projectで行いますので、数量不足などがありましたら、wm@nyatla.jpまでお知らせください。

また、独自仕様のカード作成などご希望がありましたら、ご相談ください。

English

We start to sell NyId template  marker card kit.

The card package includes 11 cards.

  1. NyId marker template blank-card ×10
  2. NyId [00-19]: Model2/Rawbit ID table card× 1

Each card is non-gloss high quarity paper. 91mm x 55mm.
It is robust and strong to reflection of lighting.

Price

The price of  a card is 280JPY +shipping charges.
For example, this is price list to US area.

pieces price discount shipping charges(by airmail) total
1 280JPY 240JPY 520JPY=6USD
10 2800JPY 10% 600JPY 3120JPY=36USD

*Exchange rate is 85JPY/USD.
*In EMS, Shipping charges is 1200JPY.

How To Purchase

Payment can be made by paypal. For more detailed estimate, please  contact to  wm@nyatla.jp.

NyIdカードの耐久性試験

NyIdカードの耐久性を試験しました。

試験項目

次の2点について、耐久性を確認しました。

  • 水濡れ
    NyIdカードを水で10秒間洗い、乾燥させたとき形状変化を観察します。
  • 汚れ(醤油)
    NyIdカードの一部を何処のご家庭にもある醤油に浸し、1.直ぐに(3秒後)にふき取った場合2.放置した場合の様子を観察します。

試験結果

水濡れ

左から、量産型(専用紙)、オンデマンド印刷(上質紙)、インクジェット印刷、オフセット印刷(マットコート紙)です。

水濡れ試験
  • 量産型(専用紙)
    中央が凹む形で反りがあります。乾燥中もあまり大きく変形しません。水分を吸収しにくいようです。
  • オンデマンド印刷(上質紙)
    中央が凸む形でやや不規則に反りがあります。写真からは判りにくいですが、表面も荒れています。
  • インクジェット印刷
    中央が凹む形でやや不規則な反りがあります。もっとも良く水を吸収しました。
  • オフセット印刷(マットコート紙)
    不規則な反りがあります。水に浸したて直ぐには、とても大きな反りを見ることが出来ました。元がロール紙だったのかもしれません。

どのカードも乾燥時に反りが発生していますが、量産型(専用紙)のカードは他のカードと比較して反りが一定です。立体視用の画像を用意しました。像の歪みで酔いますので、長時間見てはいけません。

水濡れ画像・立体視用

汚れ

左から、量産型(専用紙)、オンデマンド印刷(上質紙)、インクジェット印刷、オフセット印刷(マットコート紙)です。

汚れ試験

左上(赤枠)が醤油から引き上げ後にふき取った場合。右上(青枠)がそのまま放置した場合です。染込み具合から、短期/長期の汚れ耐性を観察します。

  • 量産型(専用紙)
    直ぐに拭き取った場合、あまり汚れは残りません。放置した場合にも余り汚れは広がりません。
  • オンデマンド印刷(上質紙)
    直ぐに拭き取った場合にも、やや汚れが残ります。また、その際に用紙が少し破損しました。放置した場合はやや汚れが広がります。
  • インクジェット印刷
    水分を良く吸収します。直ぐに拭き取っても汚れが残りました。放置した場合は良く汚れが広がります。
  • オフセット印刷(マットコート紙)
    直ぐに拭き取とった場合にも汚れが残れます。放置した場合には余り汚れは広がりません。

汚れに対する耐性は、次の順番になりました。

  1. 量産型(専用紙)
  2. オフセット印刷(マットコート紙)
  3. オンデマンド印刷(上質紙)
  4. インクジェット印刷

まとめ

量産型マーカは、他の方式で生産したマーカよりも汚れ・水濡れ耐性に優れていることがわかりました。用紙の表面処理と厚さの違いが性能に影響したと考えられます。
屋内での使用には十分な耐性を持っています。
屋外での使用については、他の材料を検討する必要がありそうです。

 

NyARToolkit/FLARToolKit用の実験カードセットの販売について

以前紹介したNyIdカードの販売を計画しています。

製品仕様

製品は、ID固定のものとテンプレートの2種類があります。

  • IDカード10枚パック
    00から09までの印刷済みIDカード10枚のセットです。インクジェットプリンタで製造します。
  • テンプレートカード10枚パック
    自分で番号を書き込んで使うブランクのカード10枚と、IDパターン早見表のセットです。低反射用紙にオフセット印刷で製造します。
    サインペンなどでパターンを記入して使うことも出来ますし、そのまま0番のカードとして使うことも出来ます。
IDカード10枚パック
テンプレートカード10枚パック

販売メニュー

販売メニューは2種類です。テンプレートと固定IDの組み合わせがあります。

  • NyIdマーカ練習セット (780円 税・送料込)
    IDカード10枚パックと、テンプレートカード10枚パック×2セットの合計30枚です。個人的な実験に便利です。
  • NyIdマーカテンプレートセット (980円 税・送料込)
    テンプレートカード10枚パックの5個セット、合計50枚です。拡張現実感の教室などの教材向けです。
NyIdマーカ練習セットの内容
NyIdテンプレートカードセットの内容

各カードのセットは、1セットづつ包装してあります。

NyIdテンプレートカードセットパッケージ

販売方法

販売するのは以下の写真にあるパッケージです。販売方法は、委託販売を検討しています。リセラーになってもいいよーという方は、是非ご連絡ください。公式のリセラーさんとして、ご紹介いたします。販売手数料の支払いは、20%-30%を予定しています。

カードのパッケージ

販売方法決定までの間は、wm@nyatla.jpまでご連絡ください。paypl決済にて対応いたします。
また、オリジナルマーカの製造・教材向けの大量生産も出来ますので、ご相談ください。

Q&A

Q1.自分で印刷した方が安く無いですか?

A1. IDカード10枚パックについては量産化が出来ておりませんので、ご自身で製造した方が同等の物を早く安く製造できます。インクジェットプリンタをお持ちでしたら、こちらの記事を参考に印刷することをお勧めします。

Q2.インクジェットプリンタで自作したものと、品質の差はありますか?

A2. テンプレートカード10枚パックについては差があります。テンプレートカード10枚パックは、低反射の専用紙にオフセット印刷したものになります。溢れる高級感はありませんが、普通紙・マット紙よりも高品質な物を使用しています。

 

実験用ARマーカの作り方

NyARToolkitを使うためにはマーカを印刷する必要があります。
通常はコピー用紙にレーザプリンタなどで印字することが多いと思いますが、実験などで繰り返し使用するためには強度や反射特性が不十分な場合があります。
厚紙に張るなどの工作をしても良いですが、面倒な作業です。
ここでは、出来るだけ工作をせずに、性能の良い名刺サイズの実験用マーカを製造する方法を紹介します。

マーカの仕様

  • カードサイズ – 名刺サイズ(55[mm]x91[mm])
  • マーカサイズ – 40mm
  • マーカタイプ – NyIdマーカ10 種 NyARToolkit/nyar4psg/FLARToolkit対応
  • 用紙マット紙 – (名刺専用用紙)
  • 印刷方式 – インクジェット方式(モノクロ1色)

必要機材と材料

既製の名刺用紙と、モノクロインクジェットプリンターを利用します。プリンタの種類は、印字部(黒色)の部分の反射特性に大きな影響があります。

インクジェットプリンターはカラーのものでも構いませんが、モノクロモードで印刷してください。

  • 名刺用紙 KJ-VHA10LB
    コクヨ インクジェットプリンタ用名刺用紙 クリアカット 両面マット紙 厚口 10 面 10枚入
    クール白
  • プリンタ PX-K150
    EPSON A4モノクロプリンター 無線LAN・有線LAN対応

製造方法

印刷設定

PX-K150の場合、印字設定を以下のように設定します。他のプリンタの場合でも、用紙→「マット
紙」 品質→「きれい」のように、品質は最高位、用紙は普通紙ではなく「マット紙」に設定してくだ
さい。他のプリンタでの設定は、用紙パッケージ裏のプリンタ用紙設定条件を参考にしてください。

PK-K150の詳細設定

用紙設定の説明

印刷設定が適切でないと、擦れや印刷ズレが発生します。

左:正常印刷/右:設定不良

印刷

名刺用紙KJ-VHA10LBに印刷できるIDマーカセットのpdfを準備しました。pdfをダウンロード
し、実サイズで印刷します。
http://sourceforge.jp/projects/nyartoolkit/docs/NyIdMarkerCard_00_09_KJ-VHA10LB/ja/1/NyIdMarkerCard_00_09_KJ-VHA10LB.pdf

プリンタに用紙をセットして印刷をします。印刷実サイズで印刷をしてください。

切り離し

印刷が完了したら、用紙を取り外します。クリアカット用紙なので、折り曲げて外します。

印刷後の名刺用紙
カードの切り離し

評価

強度

名刺サイズにすることで、コピー用紙と比較して十分な曲げ強度を確保できます。

名刺用紙に印刷したマーカ

コピー用紙に印刷したマーカ

認識距離

マーカサイズが40mmのため、正確な姿勢検出が可能な距離は若干小さくなります。
距離は、VGA画像の場合約60cm、QVGAの場合約30cmです。
※NyARToolkitは32x32pixel以上のマーカを識別できます。

反射特性

強力な光源からの反射に対しては、他の印刷方式に対して差はありません。
蛍光灯などのスポット光の反射に対しては、インク面に光沢のあるレーザプリンタ・オンデマンド/オフセット印刷と比較して少なくなります。(インクジェット印刷)

インクジェット印刷図

オンデマンド印刷(上質紙)

オフセット印刷(マットコート)

評価装置全景

製造コスト

一枚当りの単価は以下の通りとなります。

  • 用紙: 約6円
  • インク: 約1円 (3000枚/カートリッジ)
  • プリンタ 約1円 (10000枚印刷時)
  • 計 約8円

まとめ

  • 名刺サイズのマーカ用紙は取り扱いやすく強度があり、短距離での実験に使用するには十分な性能を持ちます。
  • 製造コストは1枚当り8円とやや高価ですが、小ロット多品種製造では妥当な範囲です。
  • マーカのインク面反射の抑制には、インクジェットプリンタのモノクロ印刷が有効です。

テンプレート

名刺サイズマーカ印刷用のテンプレートファイルです。名刺用紙(KJ-VHA10LB)に合わせて編集してありますので、そのまま印刷できます。

この記事のpdfはここからダウンロードできます。